コラム「理事長の豆知識」INFORMATION
【優しく・理解しやすい口腔解剖学 第七章】「浸潤麻酔(局所麻酔)に関しまして〜麻酔は歯科医療の縁の下の力持ち〜」
東京都 墨田区 本所吾妻橋駅の 歯医者
「医療法人社団 長岡会 長岡歯科医院/長岡インプラント研究所」理事長 長岡博司です。
いつもコラムをお読みいただきありがとうございます
前回、表面麻酔に関しましてのお話をさせて頂きましたが、今回のテーマは「浸潤麻酔」につきましてお話します。
浸潤麻酔とは？
浸潤麻酔とは、別名「局所麻酔」や「部分麻酔」と言われます麻酔の方法でして「口腔内の狭い範囲に効かせる方法」です。
表面麻酔(ゼリー状)の薬剤を綿球や綿棒に塗布しまして、暫くその状態のままにしまして、知覚が麻痺されてきた頃合いを確認した後、今回の本題の浸潤麻酔を致します。
痛みを抑えるカラクリ①粘膜
その際、針の刺入部位より少し離れた場所の粘膜を軽く引っ張りまして、注射針の位置は、手で固定するようにし、引っ張った粘膜を徐々に元の位置に戻し、針先を進入させます。
※もちろん表面麻酔が効いていますから、引っ張っても患者さんは痛みは感じにくいです。
この手法により「かなりの痛みがまず軽減」されます。
痛みを抑えるカラクリ②針の入れ方
次に、薬液(麻酔薬)を、粘膜から3段階に徐々に深部まで入れるようにして、やはり痛みの軽減を図りますが、その際「麻酔針の方向にテクニック」があります。
これは、私のテクニックですので、詳しい内容の掲載は控えさせて頂きます。
痛みを抑えるカラクリ③自動麻酔機器による一定の「速度」と「圧力」
また、私は「自動の麻酔機器」を使用しています。
自動の麻酔機器は、電気の力にて「一定の速度」で「一定の圧力」で麻酔の薬剤を入れる事が出来ます。
昔ながらの注射筒は、人間の力なので、どうしても強弱がついてしまい、これは、疼痛に繋がる原因になっていましたから、「医療メーカーさんの革新」ですね。
痛みを抑えるカラクリ④一番細い針
「市販されています1番細い注射針を使用」してます。
何故、1番細い注射針に拘るかという理由は「麻酔薬が、体内に入る際、針の断面積が小さいほど、疼痛が軽減されるから」です。
ここで、皆さんに質問です。
注射針を刺して「痛い！」と感じる「原因」は何だと思いますか？
原因？？？
なんでしょう？？？
痛みは「無意識」に感じるのものだと、余り深く考えたことはないという方が多いのではないでしょうか？
痛みを感じる原因「痛点」
皮膚面には、痛さを感じる感覚点「痛点」というものがあるからです。答えは簡単、鋭利な針が痛点に当たるからなんですね。
この「痛点」は1c㎡当たり100～200個、皮膚表面に高密度で分布しているといわれてます。
細い針のメリット・内圧が低くなる
断面積（ここでいう針の太さ）が大きいと、同じ力でも一定量あたりに入る量が増加して、内圧が高まり強くなり、その刺激が疼痛を余計に感じるので、一番細い針を選んでいます。
もちろん、針は細い程痛くもありませんね。
細い針のデメリット・少し時間がかかるが大差なし
細い注射針のデメリットとして、麻酔が効くまでの時間は、かかりますが、大差は、ありません。
患者さんも、待ち時間がほんの数分違いなら痛くない方がいいのですよね？
あとは、歯科に関しては、針が細い程、価格が高めというのはありますが、これは、私の範囲内ですので、治療費に影響はありません。
痛みを抑えるカラクリは無限大
他にも色々とありますが、痛くない、痛みを抑えた「治療」「麻酔」には、解剖学見地からの、ちょっとした「工夫」や「テクニック」があるのです。
患者さんが安心したお気持ちで治療を受けて頂けるよう、「私自身の技術の研鑽を続ける」と共に、「技術のサポートに必要な医療器具を選別して導入」しています。
2種類の麻酔薬を使い分け
あと、私は、診療所に2種類の麻酔薬を使い分けてます。
この件に関しましては、以前、理事長の豆知識に掲載させて頂きましたから、こちらを御覧下さい。
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※コラムを彩る画像はお借りしました。
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