コラム「理事長の豆知識」INFORMATION
【優しく・理解しやすい口腔解剖学 第三章】「下顎管」という言葉をご存知でしょうか?〜なぜ虫歯が痛いはずなのに、他の歯も痛く感じるの?〜
こんにちは
東京都 墨田区 本所吾妻橋駅の 歯医者
「医療法人社団 長岡会 長岡歯科医院/長岡インプラント研究所」理事長 長岡博司です。
いつもコラムをお読みいただきありがとうございます
人間の歯の本数は?
皆さんご存知のとおり、人間には、「上顎骨に並んだ、通称、上の歯」と「下顎骨に並んだ、通称、下の歯」があり、合計28本あります。

人により「親知らずという歯」が生えてる方、生えてこなかった方など、個人差がありますので、左右7番(第二大臼歯)までを、学術的には28本でカウントしています。
ちなみに親知らずは、8番。第3大臼歯、または、親知らずと呼ばれております。こちらを含めると合計32本になりますね。

下顎管とは?
では、今回のテーマであります「下顎管」とは、「下の歯が並んで生えている下顎骨内を走行しています管のこと」です。

学術的説明
あとで、「わかりやすく説明」をしますので、ここからは流し読みをして、改めて読み直してみてください。
下顎管の中を「下歯槽神経、下歯槽動脈、下歯槽静脈」が走っています。
この3本が1セットの管で、下顎孔から下顎枝を下前方に向かい、走行中、歯槽と交通し、先程の3本1セットのものの枝が、1本、1本の歯に繋がっています。

下顎の前歯に繋がる下顎切歯管という細い枝を出し、後方へ戻りまして、オトガイ孔に向かいます。
要するに、下顎管とは、「下顎骨内を走行している神経、動脈、静脈を束にした1本の管の事」なのです。

うーん?
なんとなく解るけれど「文字を読んでも専門用語で頭に入ってこない…」と感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

長岡式・下顎管をわかりやすく解説
では、ここからは、私が患者さんに治療の際にご説明をしている「完全オリジナル・長岡式の例え」なのですが、コラムの読者の方々にもご紹介いたします。
イメージしてください
日本列島の地図をイメージして下さい。

日本列島の形を「下顎骨」とし、東海道・山陽新幹線の線路を「下顎管」と例えてみましょう。
こんな感じ。

「スタートの東京駅が左側の下顎孔」

途中の駅の小田原、静岡、名古屋、京都、などの各駅が、1本、1本の歯と繋がり
「終着点のオトガイ孔が新大阪駅」のようなイメージです。
付け加えるなら、右側は、山陽新幹線で下顎孔を始点(博多)からオトガイ孔を終着点(神戸)になるイメージ。復路ですね。

そして、各駅(歯)には、線路(下顎管)がプラットフォームのように「下歯槽神経」「下歯槽動脈」「下歯槽静脈」で繋がっているのです。

どうでしょう?「なるほど!」と理解して頂けたでしょうか。

患者さんは、歯科の解剖学の用語を認識されるより、「頭の中でのイメージを作り上げて頂く方が重要」と、私は考えます。

身近な経験・虫歯が痛いはずなのに、他の歯も痛く感じるのはなぜ?
ここで、余談になりますが、神経まで達するような虫歯になってしまった際、歯医者で「どこが痛いですか?」と聞かれた時、「一番奥の虫歯だと思うのですが、なんだか周りも痛くて…どの歯かわかりません…」という症状になってしまったことはありませんか?
それは、上記のとおり、「神経が繋がっているから起こりうることなのです」

患者さんによっては、「下の虫歯が痛いのですが、上の歯も痛い気がします…」と仰ることもあるのですが、それは、脳から出る三叉神経が「眼・上の歯・下の歯」に繋がっているからなんですよ。

三叉神経とは、脳神経の12本ある1本で、5番目(V)の神経のことです。話が広がりすぎてしまいますので、また後でお話しますね。
話を戻しまして、
「一本の虫歯くらい大丈夫だろう…」で「放置はNGな理由」です。
因みに、下顎管は左側と右側は繋がっていません。
ですから、歯が痛い時に、耳の辺りに痛みを感じることはあっても、左側の痛みが右側に伝達することはないのです。

⬜︎下顎管は下顎骨を通る1本の神経と2本の血管の束
⬜︎始点は顎側、終点は小臼歯の辺り(4番辺りで個人差があります)左右は繋がっていない
⬜︎上下の歯の神経は三叉神経で繋がっている
⬜︎下の虫歯が痛い時、上の歯に痛みを感じる所以
⬜︎下の左側の虫歯が痛い時、右側の歯に痛みを感じることはない所以

上記以外にも症状や要因は沢山ありますので、痛みや変だなと何か症状がでたら、歯科医院で治してしまいましょう!

ちょっとした追加の説明が、患者さんにとっての「安心感」に繋がると私は感じています。

もちろん、患者さんは、専門用語を覚えて頂く必要はなく「身体のこの場所、この部位は、こんなふうになっているんだなぁ」と、感じて頂ければ、私は、良いと思います。
治療は「プロ」である歯科医師に安心してお任せください。

治療における下顎管の重要性
私達、歯科医師は、臨床に於きまして、歯科治療をする際に、いかに「下顎管に影響を及ぼさないように治療する事が大切で、重要であるという認識」を常にもたなければなりません。
理由は?なぜ?
神経が繋がっているから大切なのはわかったけれど、なぜだろう?とそこまで重要な理由が気になってきませんか?
下顎管に関しましては、この後、下顎孔伝達麻酔やインプラント治療との関連を掲載したいと思います。
※コラムを彩る画像はお借りしました。

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