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【優しく・理解しやすい口腔解剖学 第四章】下顎孔伝達麻酔に関しまして 〜メリットとデメリットを考えた治療の選択〜

こんにちは
東京都 墨田区 本所吾妻橋駅の 歯医者
「医療法人社団 長岡会 長岡歯科医院/長岡インプラント研究所」理事長 長岡博司です。
いつもコラムをお読みいただきありがとうございます

前回のコラムで、下顎孔の位置、部位は、なんとなく御理解されたと思いますが、歯科医療にとって必須である麻酔の術式の一つに伝達麻酔「下顎孔伝達麻酔」というのがあります。

患者さんが、痛みを抑え、痛くなく治療を受けれるのは「麻酔のおかげ」と言っても過言ではありません。

どんな風になっているのかな?が解ると、治療を受ける際の「安心感」にも繋がっていくと思いますので、のんびり読んでみてください。

今回は、下顎孔つながりで、歯科医療の現場、臨床に於きまして、「下顎孔へ麻酔薬を垂らす(注入)」についてのお話しです。

「垂らす???」

私が何故、「あえて麻酔薬を垂らすと表現」したかと言いますと、下顎孔は、「孔という穴みたいな形態」です。その場所に針先を近づけまして、「刺すではなく、重力の法則に基づき、麻酔薬を垂らし、神経を麻痺させるイメージ」です。

※もちろん、下顎孔は歯肉の中にありますから、歯肉の刺入点から針先を入れて、刺すではなく、打つでもなく、垂らすイメージなのです。

この感覚は、学生時代に、母校の日大の麻酔学の谷津教授に、「叩き込まれた感覚」なんです。

打つのではない、刺すのではない、垂らすんだぞ!

よく教授は、「長岡!、下顎孔伝達麻酔は、打つのではない、刺すのではない、垂らすんだぞ!」と、福島訛りの甲高いお声で、ご指導して頂きました。

私は、学生でしたから、デモ用の模型の人形で、何度も何度も、教授室でやらされました。

それはそれは、優しい中にも厳しいご指導を賜り、涙目になるくらいに感謝しております。

160名くらい同級生がいる中で、私だけの特別レッスンでした。

いち学生にとりまして、教授は、天井人のような存在でしたから、やたら緊張致しましたが、教授には、本当に可愛がって頂いておりました。

話しがそれてしまいましたので、教授との懐かしいお話はコラムを見て頂き、本道に戻りたいと思います。

※コラム枠内の太字をクリック(タッチ)するとお読みいただけます。

下顎孔伝達麻酔の効果とは?

では、伝達麻酔「下顎孔伝達麻酔」とはどういった効果があるのでしょうか?

メリット1.効果は広範囲

皆さんも「第三章」で学んで頂きました通り、

下顎管は脳から出る三叉神経に繋がっています。

その下顎管のスタート地点の「下顎孔に麻酔(ブロック)する」ということは、三叉神経もブロックすることに繋がりますね?

言わば、お顔の半分の(下顎管は左右では繋がっていないため)神経伝達をブロック出来ることになります。

メリット2.麻酔の効きが長い

麻酔の効く時間も長く、一回の注射でいわば広範囲に無痛治療を行うことが出来るメリットがあります。

学術的説明

学術的に言うと、下歯槽神経と舌神経を同時に麻痺させる局所麻酔法です。頬粘膜、舌、口唇など広範囲に麻酔が効いてくれます。



上記のとおり、「麻酔の権威」である教授「直々に特別レッスン」を受け、「伝達麻酔も得意な私」ですが、

ドクターX 大門未知子風に「伝達麻酔は」

理由は「メリット〈 デメリット」+α

「そんなに痛くないメリットがあるのになぜしてくれないのですか?」と患者さんは思われるかもしれません。

「なぜでしょうか?」

メリット〈 デメリット」と感じること

+α 「他の術式で十分最善な治療が行える」からです。

一般的に言われている下顎孔伝達麻酔を患者さんに行うケース

1.親知らずを抜歯する場合(主に、埋伏歯という生えきらず、骨中に存在、又は一部、外界と接し歯科医師が視覚で位置を確認出来る場合)

私は、他のテクニックでやります

2.インプラント治療をする場合

→私は、インプラントをさせて頂く際には、絶対にやりませんが、一般論としてされる先生もいらっしゃいます、私がしない理由は、以前、掲載させて頂きました

3.患者さんの骨が厚く、浸潤麻酔だけでは、麻酔が効きにくい場合、歯の歯根の長さが凄く長い患者さんの場合

→このようなケースの場合も、私はしませんで、他のリスクの低いテクニックで、麻酔致します

要するに、「私は、下顎孔伝達麻酔は、まずしません。」

理由は?

1.局所麻酔(部分麻酔)だけで、やるようにしているから。

2.施術後、患者さんに麻痺が残存すると「一大事」だから。

3.特にインプラントする際には、手術中、私は患者さんご本人に問いかけ、患者さんの返答を重視しながら、顔色、唇の色、返答される際の受け答えに集中して手術するからです。

反応がわかりにくくなる伝達麻酔はデメリットに感じます。

伝達麻酔の最大のデメリットとは?

下顎孔に垂らさず、誤って「刺してしまう」と神経麻痺が起こったり、下顎孔ではなく、下顎管に誤って麻酔液が入ってしまった場合、急激な血中濃度が上がることによる中毒症状や、血管損傷のリスクがある、更には麻酔量が多すぎた場合、全身的な合併症を引き起こす危険性があることです。

又、麻酔をした後に(麻酔の効く時間が長いため)唇の感覚が麻痺していて、患者さん自身で噛んで傷つけてしまう等の事故も伝達麻酔に多いと聞きます。 

私自身、医療事故は上記のようなケースを含め、一件もありません。

歯科治療に於きまして、少しでもリスクを下げるという事が大事

そのため、私は、伝達麻酔は、患者さんとっても、歯科医師にとっても、メリット〈 デメリットと考え、他の麻酔の手段や治療法を組み合わせ治療を行なっているのです。

もちろん、臨床の現場で、患者さんを治療しておりますと、いろいろなケースに遭遇しますから、しなきゃならない場合もあると思いますが、私はしないようにする最善な手段を模索していますし、ガッチリ局所麻酔でブロックしています。

※私は下顎孔伝達麻酔が悪いと言っているのではないので、誤解なきようお願い致します。

私が言いたいのは、「歯科治療に於きまして、少しでもリスクを下げるという事が大事」と言いたいだけです。あくまで自論です。

例外なケース

緊急時に対処できる入院施設などが整い、麻酔科医が常駐している大学病院の口腔外科の専門性の高い先生方や、当法人で常日頃から医療連携で大変お世話になっている都立墨東病院の歯科口腔外科の先生方は、難症例のケースなどは、ケースバイケースで、下顎孔伝達麻酔にて対応されていらっしゃると思います。

例えば、以前のお世話になりましたケースで、歯の歯根が下顎管に跨り、馬乗り上になり、下顎管を掴んでいるケースがありました。

それも下顎骨のかなり下方に存在していました。

私自身は難症例の親知らずも対応していますが、このような稀なケースは、下顎孔伝達麻酔にて対処しないと抜歯は、まず経験上、不可能と思われ、医療連携の形で患者さんには紹介状で転院して頂きました。

このようなケースもありますから、下顎孔伝達麻酔の術式は、必須であり、治療によっては「マスト」なのです。

「薬も過ぎれば毒になる」を常に肝に銘じて

「薬も過ぎれば毒となる」ということわざがありますが、常に肝に銘じて、患者さんが最善な治療を安心して受けれるよう考え、歯科医師として安全な治療を行なっています。

※コラムを彩る画像はお借りしました。

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